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zoom RSS 『風の谷のナウシカ』と『豊穣の海』

<<   作成日時 : 2006/07/16 16:17   >>

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タイトルに深い意味はありませんが、漫画版の『風の谷のナウシカ』を読んでいて、『豊穣の海』を連想したので、並べてみました。しかし、この両者の間に関連性を見いだしたとしても、あながち間違いではないように思います。

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ここで一旦、なぜこれを読もうと思ったかを書いておきます。第一の理由は、新しくできた知り合いに「君の世界観はナウシカみたいだ」と言われたからです。僕は他人からの評価に対して極めて敏感で、どのように言われようと、「へぇ、そうなんだ」で済ませることはできず、どうしてそう思われたのかを突き詰めたくなります。それでも、大方の評価は予想の範囲内ですが、よく分からないことを分からないまま放置するのは不健康に思えるのです。で、映画をちょっと観ただけでは仕方あるまいと思ったわけです。前にも書いたように、サントラの「らん、らんらら……」は気に入ってて、しょっちゅう聴いてるんですけどね。そして、第二の理由は、アマゾンのギフト券が溜まっていたからです。アマゾンはヘビーユーザーに優しいようで、なんだかわからないギフト券を忘れた頃に贈りつけてきます。忘れるともったいないから使ったということです。関係ないですが、アマゾンって、きっと、かなり先まで発展し続けると思います。僕は既にアマゾン無しで生活できず、無くなると困りますので、希望的観測を込めて勝手に予想しておきます。

内容に戻ります。読むのがベストですけど、僕なりにまとめますと、自分達が汚してしまった地球を清浄にした後に再びそこで暮らそうと画策する古代人と、清浄にするだけの期間を繋ぐためだけに古代人が生み出した人間や虫の両者が、ある種の戦いを経た後に、ナウシカという存在を媒介にして、これまたある種の和解に至るってなとこです。細かいところは正直よく分かりませんでしたが、全体としては、作者が述べているように、とても神話的で、今の人類のルーツを探求するような思索に溢れています。この探究心は僕も人並みくらいには持ち合わせているので、そこが「ナウシカ(言うまでもなく、作品として)みたいだ」と取られたのではないかと思います。もっとも、僕のスタンスは、作品中でナウシカに滅ぼされてしまう古代人に近いので、相容れない点も多くあるはずです。

ここで、なぜ『豊穣の海』を連想したか考えてみます。第一は、恐らく、物語を動かす中心人物が、どちらも中性的だからです。益荒男振りも手弱女振りも両方とも備えていて、容姿もその通りです。ナウシカは女性で、『豊饒の海』の主人公は基本的に男性(『暁の寺』は女性)という違いはありますが、中性的であり、両性性を備えている点は共通しています。第二は、物語でありながら物語性がまるで読み取れないところがあるからです。どちらも、僕からみたら抒情詩です。もし、物語であるならば、『ナウシカ』ではエンディングの後の世界でのナウシカの生活が語られるべきですし、『豊饒の海』にしても本多の死まで語られてしかるべきです。にも拘らず、どちらからも、作者の心情を何かのモチーフを借りて平面的に語ったという印象を強く受けました。第三は、ナウシカも、『豊穣の海』の主人公達も、僕に天皇を連想させるからです。この点に関しては両者が対照的で、前者からは神武天皇を、後者からは人間宣言をして神話を破壊した天皇をイメージします(後者はこういう瞬間的なものではなくて、もうちょっと長々と語られてますが、敢えて端折りました)。天皇の成立を考えてみると、この連想は実像とかけ離れていますけど、理想の中の天皇像とはマッチします(多分、僕に限らず、多くの人の天皇像と)。第四は、両者共に一種独特の、他の人には真似できない表現を用いており、同時に、そのメディアでなければならない理由を徹底的に突き詰めた上で成立しているからです。こういう形式的な面は僕にとって重要なんです。これに関しては割愛しますが、すぐに4つも理由を見つけられるということは、探求していけば、幾らでも見出せるということでしょう。要は、僕にとっては両者がとても似通ったものに思え、その裏には多少の妥当性もあるということです。

実を言うと、僕はジブリ作品のファンではなくて、大昔に観たトトロが面白かったとか、個人的な思い入れを持って『ハウルの動く城』を鑑賞し、関連イベントにも積極的に繰り出した程度の付き合い方しかしていません(とはいえ、思い返してみると、そのイベントへの参加ってのがまた僕にとって人生を決定的に変えてしまうくらいのことだったんですけどね)。しかし、これまた個人的な思い入れで行ったジブリ美術館は、どこか心をかき乱しつつも落ち着きを与えてくれるような不思議な場所で、とても気に入っています。今年観た映画の中では、そこでの短編、『星をかった日』がベストでしたし(2回観ました)、トータルではジブリ作品のファンなのかもしれません。おかしなものです。最近、こういうおかしな物事によく出会うんですよ。この2005年〜2006年にかけては、必ず、僕にとって今後もずっと重要であり続けると思います。次はいつになるでしょうか。干支のごとく12年ごとにピークが来てますから、36歳とか48歳でしょうかね。

いつも通り、取り留めのない話になりました。僕にとって非常に気がかりなのは、こういった、「栄養」を摂った後に、いかなるアウトプットを僕自身が生産し、どのような評価を受けるのかということです。この楽しみのためだけに生きるのだと思うこととしておきます。そうそう、書き忘れましたけど、『豊饒の海』は量的に学生のうちでもない限りは没頭して読めない作品ですし、それに加え、文学作品の最高傑作とさえ評されることも多く、外国人にも愛されていますから、未読の方はぜひ読んでみてください(『風の谷のナウシカ』は、幸い、量的な制約がないので、焦らなくても良いのではないかと思います)。ただし、『春の雪』の映画版は、『大正の美世界』とか全然無関係な名前を付けた方が適してるような作品なので、避けたほうが賢明です。こう言うと怒る人もいるかもしれませんが、監督自体が「仕事の依頼が来るまで『豊穣の海』を読んだことが無かった」なんて言ってますし、三島由紀夫も「活字でなければできないことを求めた」とどっかで言ってますから、どう考えたって映画になりっこないんです。こればっかりは譲れません。


参考:
古代の不思議
http://members3.jcom.home.ne.jp/dandy2/works/works_14_o.html

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僕はとことん映画を観ない人間でして、つい最近まで映画については全く語れなかったのですが、少しは語れる下地ができてきました。下地ということは、これから先にいかようにでも変化するということですから、今思っていることを適当に並べます。活字観だったら、今後もまず変わらないと確信できるだけに、対照的です。 ...続きを見る
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
僕も先日アマゾンから1000円分のクーポンが送られてきました。
ホントになんだかよく分からないギフト券で、送られるまではっきりとしたシステムは理解していませんでした。

しかしそうするとまた多少無理してでも買い物をしてしまうから、
どんどんアマゾンが栄えるんでしょうね。
よくできています。
ナガタ
2006/07/17 16:32
はじめまして 読書好きの方ですね
楽天で気になる最新求人情報(http://plaza.rakuten.co.jp/hitodasuke/)というブログをやっている影武者といいます。本(漫画)に関するブログを拝見させていただきました。ブログリングというSNSの中で、どんな本(漫画)を読みましたかというコミュニティを作りました。参加いただけたらと思い、連絡をさせていただきました。如何でしょうか。ブログリングへの参加申し込みはこちらから→www.blogring.ne.jp
影武者
2006/07/17 19:49
>ナガタさん
そうなんですよ。どうせ後から何か買うんだからギフト券が多く貰えるのを買うという選択を、ついつい取ってしまいます。また、こうしてアマゾンが栄えても、僕も同時にハッピーになっているわけなので、良いシステムだと思います。ただし、中で働いてる人はきっと過酷なんでしょうね。

>影武者さん
こちらこそはじめまして。コメントありがとうございます。参加を検討させて頂きますのでよろしくお願い致します。
エキタイ
2006/07/17 23:15

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