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<<   作成日時 : 2006/10/24 21:23   >>

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僕も人並みには新書に興味を持っているので、新書特集や新書コーナーには欠かさず目を通しています。しかし、どちらかといえばハズレの方が多いので、あまりここでは扱えずにいました。そんな中、とても充実したものを見つけたので紹介します。

ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産
小林 標

中央公論新社 2006-02
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ラテン語と聞くとどこか隔絶したイメージを抱きがちですが、実際のところは違います。“nt”が含まれている英単語などはラテン語由来のものですし、よく流行している「〜イズム」もラテン語の接尾辞から来ています(あえて訳せば「〜化するといこと」とか)。こういうところから始まり、非常に大きな影響が残っています。誤解を恐れずに極端な言い方をするならば、「ローマ人のエネルギーが未だに激しく燃え続けている」とでもなるでしょうか。ともかく、知れば知るほどこの影響力の強さを認識します。

この本の良いところは、特別な知識が無くともラテン語を巡る様々なことを知ることができる点にあります。大体、ラテン語の本というと、文法書であるか、はたまた既にかなり文法をマスターした人向けのテキスト集のようなものばかりで、このように平易かつ簡潔に必要な教養的知識を網羅できるものはほとんど無いのです。

かつて森鴎外は『ヰタ・セクスアリス』の中で「語源に遡れば外国語の暗記は容易くなる」といったことを言いましたが、この点、英語学習においてもラテン語の知識は有用です。前にも述べたように、ラテン語由来の単語が多いことに加えて、そのラテン語が備えていた造語能力を用いて日々新しい語が製造されていますから。また、そもそも、現代英語の成立を考える上でラテン語(時にギリシャ語)を無視することは、現代日本語において漢語を無視することに等しいくらいの暴挙です。そんなわけで、有用で当然なのです。

僕は新書に新鮮な知識を求めます(これは、新書というカテゴリー名からも要請される当然のこと)。パラパラと小一時間もめくっていれば終わってしまうような字義的にも比喩的にも薄い新書ばかりが氾濫する中、この『ラテン語の世界』のような本は貴重そのものです。こういう新書が増えることを願います。

書き手及び供給側の方への失礼を承知で暴言を吐いて終わります。クソどうでもいい妄想を、あろうことか、さも事実であるかのように断言しているものが多すぎます。それらが歓迎されるのは面白いことにせよ、乱雑な物言いがまかり通っているのを見ると、強い違和感を覚えます。妄想を人に知らしめたいだけならば、このようにブログでも使えば済むのです。なぜそれが新書の形を取っていなければならないのかということは、もっと考慮されるべきでしょう。


補足:
『美しい国へ』って考えてみると変なタイトルですよね。タイトルだけでは、大きく分けて「美しい国へと変えていこう」と「美しい国へ届け私の想い」の2通りに解釈することが出来ますが、「美しいX」と普段言うときのXを考えて、ちょっと別のもの代入した上で並べてみましょう。例えば、『美しい昭恵へ』などの典型的なもの(この場合は夫人の名前)と比較したらどうでしょうか。どうも、「国」がどこかの女にでも(「美しい」という語のイメージから連想を広げると、僕の場合、妻よりも愛人に到達します)喩えられているように感じられます。確かに、文化に関しては、日本ほど娼婦的な国は無いにせよ(これは三島由紀夫流の物言い)、いざ総理大臣が国を娼婦として扱うのを見ると首を傾げてしまいます。そういえば、「愛国」からも「愛人」を連想しますね(国民は国に従属しているのだから、愛国ってのは変)。もうちょっと言葉の使い方には敏感になった方が良いと思います。

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